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2019年12月12日
~社員の成長は「マインドセット」×「スキル」の掛け算~(その3)

(人材教育、人事制度、MBOSC)
  前回コラムで紹介した「マインドセット」の6要素を少しくわしく見てみましょう。
 「マインドセット」の6要素は、互い作用しあう複合的な関係にありますが、その中でも特に重要な要素は「当事者意識」です。「マインドセット」が高い人は、まず物事に対する「当事者意識」が高いと言われます。

 「当事者意識」は普段の会話にも表れます。例えば、よくある次の会話ではどうでしょうか。二人の中堅社員が、会議室で会話しているが、Aは今の会社に不満があるらしい。

  A:会社に活気がないよね、うちの部の雰囲気もよくないし。
  B:確かに全体的にモチベーションが下がっているなあ。
  A:会社のビジョンとか戦略も伝わってこないし、働く意欲が湧かないよな。
  B:部門間の情報共有もないし、誰が何をやっているのか分からないよな。なんだか俺も嫌になってきたなあ。

 どうでしょうか、こんな類の会話があなたの会社でも交わされてないでしょうか。

 この会話のどこから「当事者意識」が分かるのでしょうか。この会話の主語が”会社“であったり、主語がなかったりすることから「当事者意識」に欠けることが分かります。
 この二人は会社の課題を挙げていますが、会社に活気がないことを自分の責任とは思っておらず、他人事のようにとらえています。自分の責任ではないから何もアクションを起こすことは考えていません。これでは組織に課題があっても、何も変わらない、むしろ悪い方向に流れがちです。

 なぜ主語を明確にしないのでしょうか。それは、責任の所在を曖昧にした方が自分にも都合がいいからです。誰々が悪い(部長が悪い、課長が悪い)と主語を明確にすると、自分が他責、他人の責任にしていることが明らかになってしまいます。それよりも「課題は分かっているけど、悪いのは自分ではない」という曖昧な立場にいる方が、後ろめたさを感じなくて済むのでしょう。自分以外の人に責任があると思えば、自分では何も行動を起こさなくなります。自分が行動しないことを合理化しているのです。しかし、それでは組織の課題は解決できません。組織を構成する一人ひとりが、何か自分が出来ること、何らかの行動を積み重ねなければ解決には向かいません。

 そして「当事者意識」を高く持つことは、「覚悟」につながります。
                                         (その4に続く)


 

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