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2019年11月8日
中小企業に広がる「オデコ(O-Deco)」とは?
その2:導入企業の例

(年金、ライフリスク、福利厚生)
オデコ(O-Deco:選択制確定拠出年金)が、中小企業を中心に広がっています。今回は、あるオデコを導入した企業の事例をご紹介します。

事例①T社は婦人服アパレルの販売会社で、社員数は約40名。退職金制度に加えて、業界で設立した厚生年金基金にも加入して、社員の老後生活安定の支援を行っていました。
 しかし、業界の厚生年金基金が解散したことによって、企業年金部分がなくなることになり、その代わりとしてDC(確定拠出年金)の導入を検討していました。厚生年金基金の代わりにするDC(確定拠出年金)の会社掛金を計算すると1人あたり月額2,000円から8,000円の水準になることが分かりました。
 この場合、DC掛金が非課税となる上限額、月額55,000円まではまだ余りがあるので、この非課税メリットを社員のために活用できないかと考えて、会社掛金に加えて社員個人もDC掛金を拠出できる方法を模索しました。

 その結果、“マッチング拠出”と“選択制DC(オデコ)”の2つの方法があることが分かりました。

・マッチング拠出とは、会社掛金に加えて社員個人も自分のDC積立口座に個人拠出ができます。但し、マッチング拠出の上限額は会社拠出金額を超えない金額で最大27,500円です。となると同社の会社拠出額も最大8,000円ですから、社員のマッチング拠出額も8,000円が上限になります。

・一方、オデコでは給与振替で会社拠出金として掛金を減額するのでDC掛金の上限55,000円/月から会社拠出2,000円~8,000円を差し引いて47,000円~50,000円までも、社員が増加拠出に活用できることが分かりました。社員にとっても、老後の安心に向けて、非課税メリットを最大限利用しながら有利な積立をしたいと思っていましたので、同社はオデコを採用しました。

・オデコを選択した結果、社員の8割以上の方が本人選択の掛金を増額して、1人あたり平均26,000円の追加拠出になりました。拠出可能の上限額50,000円~53,000円まで拠出する方も多くでました。また会社にとっても、社会保険料の削減効果として年間約199万円のコスト削減につながりました。

 まさに社員にとっても会社にとっても一石二鳥のメリットを得ることができました。


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