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2019年4月15日
「できる従業員」が退職する理由

(リスクマネジメント、人材教育、経営)
 企業にとっては、従業員の退職は少なからずショックです。特に昨今、売手市場で厳しい採用競争の中を何とか採用にこぎつけて入社してもらい、社会人としての第一歩を会社も応援して時間も費用も掛けて教育し、数年かけてようやく一人前になったと周囲も認めるようになったところで、本人から、実は、、、と切り出されて退職を告げられると、社長や人事責任者の落胆はかなり大きいものです。さらには、かれこれ10年以上も勤務していて仕事ぶりもよく、将来の幹部候補生に期待していた、いわゆるデキる従業員が退職するとなると、会社にも大きなマイナスです。従業員は満足しているように見えて、仕事ぶりも問題なく周囲からも信頼されていたのに、なぜ退職を考えたのでしょうか。
 “仕事に満足していた社員が辞める4つの理由”(日本版フォーブス)では次のようなことを挙げています。これは日本の多くの中小企業にも当てはまります。
1) 成長の余地がない:以前のコラムでも書きましたが、先が見えない、キャリアの行き詰まり感、と同じです。このままこの会社にいても、どうなるのか見えない、先輩を見てもキャリアアップが感じられない、等々。
2) 社内環境の変化:人事異動や組織変更等の変化の際に、人間が本能的に持っている“変化を嫌う(安全を望む)”という特性に配慮して、従業員一人ひとりに十分な説明を尽くしているでしょうか。
3) 柔軟性がない:勤務時間を始めとして、仕事の進め方や社内手続き等の様々な面で、わが社は硬直的、柔軟性がないと従業員が感じた時に社外の環境に目が向きます。個人に裁量の余地がなく、決められた作業ばかりで個々人の創意工夫の余地がない仕事のやり方も、柔軟性に欠けるものです。
4) 十分な評価を受けてない:評価は従業員の満足度に大きな影響を及ぼす要素です。評価自体の高低もさることながら、各従業員の働きや組織への貢献が個々に認められているかどうかが大きく影響します。誰にでも当てはまるような褒め方をされては、認められたいう実感が減ります。
 これらをすべて解決するにはどうすればよいのでしょうか。それぞれの項目には様々な対応策がありますが、共通する要素は「ヒトを大切にする経営」です。製造業でもサービス業でも、全ては“People Business”です。
 この視点から、自社の人事制度や様々な規則を見直してみては如何でしょうか。

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